ブロックチェーン3.0とは?ブロックチェーンの進化

 ビットコインをはじめ、大部分の仮想通貨(暗号通貨)は昨年末に過去最高値を付けた後暴落。

一時2万米ドルにも迫ろうかとしたビットコインにおいては、ほぼ1年後の現在、3分の1の6千5百米ドル付近にとどまっている。

 

暴落の要因についてはさまざまなところで議論がなされ、さまざまな原因が唱えられている。

 

  • 中国における仮想通貨取引所の閉鎖、韓国やインドさらには米国などにおける仮想通貨取引規制の動向
  • 中国、韓国のICO全面禁止などICOに対する各国の規制強化
  • コインチェックなど大手取引所の度重なる不正流出事件 など

 

一方、ビットコインなどの仮想通貨以上に注目を集めているのがブロックチェーンの応用技術。

 

ブロックチェーンは、従来の台帳管理技術である集中型データ管理システムに代えて、暗号技術とP2Pネットワーク技術などを活用して分散管理をする技術で、仮想通貨の基盤技術を成す。

さまざまな取引データを記録したブロックをネットワーク上で一本のチェーンのような形でつなぎ合わせ、それぞれのユーザーがそのデータを共有することからこのように呼ばれる。

 

ブロックチェーンの技術はP2Pネットワークで分散処理し、すべてのデータを共用することから、次の特色を持つ。

 

  • すべての取引記録が公開され、不正操作や改竄が事実上不可能
  • 分散的な仕組みで運用され、管理者が存在しない
  • 分散処理を行うため、運営コストが低くシステムがダウンし難い

 

すでにブロックチェーンの技術を使ったさまざまなサービスが開発されているが、今後どのような発展していくのか。

あるいは、私たちの暮らしや社会へブロックチェーンの技術はどのような影響を与えるのか。

 

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出典:経済産業省

 

ブロックチェーン技術の応用については、その発達段階に応じてブロックチェーン1.0、2.0、3.0と称する。

 

  • ブロックチェーン1.0は、ブロックチェーンを通貨への適用段階
  • ブロックチェーン2.0は、ブロックチェーンを通貨以外の金融分野へ適用段階(株式・ローン・クラウドファンディング・デリバティブなど)
  • ブロックチェーン3.0は、ブロックチェーンを金融以外の分野への適用段階

 

ブロックチェーン1.0の段階では、「P2P」「Merkle tree」「Hash関数」「Proof of Work」「電子署名」といった既存の技術を組み合わせ、分散型で非中央集権型の仮想通貨であるビットコインが誕生した。

その後、このビットコインの技術を応用し改良したスマートコントラクト、スマートプロパティなどの技術が生まれ、これらの技術を活用したイーサリアムなどの仮想通貨が現れたブロックチェーン2.0の段階。

現在は、そうした技術を活用して企業が新しいビジネスモデルやサービスを提供できるブロックチェーン3.0の段階にある。

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ブロックチェーンはパブリックチェーンからプライベートチェーン、さらにコンソーシアムチェーンにも応用範囲を拡大、金融機関間の送金取引などへの活用など、多くの企業がさまざまな分野におけるブロックチェーン技術の活用に取り組んでいる。

 

このように現時点においては、規模の大小を問わずさまざまな企業がブロックチェーンの応用技術の研究開発に取り組んでいるが、その本気度について見ると、いささか疑わしい面が見受けられる。

その動向は、いわゆる「唾を付ける」段階にあるように思える。そのため、この開発競争が一時的なブームで終わる可能性もある。

 

このブロックチェーンの技術が蒸気機関や内燃機関あるいはインターネットなどと同様に発展し、私たちの生活を一変させることができるのだろうか。いまだ不透明である。