「長寿は恥、四十に足らぬほどにて死なんこそ、めやすかるべけれ」
吉田兼好の風流な言葉が心に残る。
しかし、彼自身は長生きしすぎてしまったようで、70歳近くまで生きたようだ。
さらには恋文の代筆まで手がけたという逸話もある。
どうやら、「死ぬなら若くてかっこよく」という理想と現実とのギャップが、彼の生涯に影を落とす。
そこで思う。
私もまた健康で長寿を望みつつ、時折り死を考えることも必要かもしれないと…。
吉田兼好の言葉を借りれば、
「住み果てぬ世に醜き姿を持ち得て何かはせん」
つまり、長生きするからには品位を保ちつつ、余裕をもって静かに死を迎え入れることが肝要と思う。
しかし、40歳未満で死ぬことが「めやすかるべけれ」とされるならば、若いうちに未知の冒険に身を投じ、夢を追い求めるのも悪くないかもしれない。
若い方に伝えたい。
「人生は一度きり、若いうちにはちょっとした無茶も許されるかも」と…。
吉田兼好の逸話から学ぶべきことは、人生においては計画通りにはいかないということ。
彼の理想と現実のギャップは、どこかで共感を呼ぶものがある。
だからこそ、私も笑い飛ばせない困難や運命にぶつかったとき、「まあ、吉田兼好も苦労したんだから」と肩の力を抜いてみることにしよう。
「命長ければ恥多し」
とはいうものの、健康で長生き、かつ愉快に生きたいものだ。
吉田兼好の言葉を胸に、人生の冒険を楽しみたいと思う。