あなたの会社は大丈夫ですか 〜大阪北部地震で見えたもの

大阪北部地震の発生から2週間を経ました。大阪市内のわが家では棚からいくつかの書物や置物が落下しただけで、大きな被害を受けなかったことを幸いと思っています。

 

7月2日の発表によると、大阪府内では4人の方が亡くなり、354人の方が怪我をしたほか、2万1千棟を超える住宅が被害を受けました。また、避難所29カ所に147名の方が身を寄せています。

改めて、ご遺族へのお悔やみと、被災された方々に対してお見舞い申し上げます。

 

6月18日7時58分頃、最大震度6弱を観測したこの地震は、朝の通勤ラッシュ時を襲いました。その対応として、通勤途中で帰宅を命じた企業がある一方、顧客対応を重視し出社を命じた企業もあったと聞きます。

交通機関の混乱は夜も続き、帰宅が困難となり、淀川に架かる橋を歩いて渡る人々の列も続いていました。その混乱も、やっと落ち着いてきたように思えます。

 

ところで、この災害を受けて改めて気になったことがあります。それは、事業継続計画(BCP)を策定していない企業が多いということです。

事業継続計画(BCP)は、「大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーンの途絶、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画」(内閣府「事業継続ガイドライン」)のことをいいます。この中には、従業員の出社体制だけでなく従業員の安全確保も含まれます。

東日本大震災において、多くの企業が人材や設備を失ったことで廃業に追い込まれ、あるいは被災の影響が少なかった企業においても復旧が遅れたことにより顧客が離れ、その結果事業を縮小せざるを得ないところまで追い込まれるケースも発生しました。そこで注目されたのが、この事業継続計画(BCP)です。

 

帝国データバンクの調査によると、全国で事業継続計画(BCP)を策定している企業は僅か14.3%、策定中あるいは策定を検討している企業を合わせても 43.7%と半数に満たない状況にあるといいます。これは、企業規模が小さくなるにつれて顕著になる傾向にあるといいます。

さらに、近畿にある企業だけを捉えれば、事業継続計画(BCP)を策定している企業は12.4%に下がっています。大阪府下の企業では12.6%です。

 

南海トラフを震源域とする東南海地震の危険性も叫ばれています。緊急事態はいつ発生するかわかりません。災害の発生に、行き当たりばったりの対応をするのではなく、あらかじめ想定し対策を計画しておきたいものです。

確かに、すべてが計画通りに物事が運ぶことはありません。想定外の事象も発生し、その場で臨機応変に対応しなければならないことは多々あります。しかし、備えあれば憂いなし。

事業継続計画(BCP)は経営におけるリスク管理の一環です。あなたの会社のリスク対応は十分ですか。