大阪環状線 天満駅:朝の風景と日常の始まり

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この時間帯は学生の姿が多い。
いつも会う高校生のカップルの姿は今日は見えない。
 
京橋駅を出て左にカーブする。
一分ほどで車内放送が入る。
今朝は女性の車掌の声で案内が入る。
 
「ご乗車ありがとうございます。環状線内回り。大阪、西九条、弁天町方面行きです。つぎは桜ノ宮、桜ノ宮です」
 
「お客さまにお願い致します。座席は譲り合ってお座り頂き、優先座席付近では携帯電話の電源をお切り下さい。またこの電車の前から四両目、車内に女性専用車の案内表示のある車両は女性専用車です。皆様のご理解とご協力をお願いします」
 
JRの車内放送の内容は同じであってもセリフや言い回しは車掌によって微妙に異なる。
そのため、それぞれの個性を楽しめる。
 
暫く直線を進むと桜ノ宮駅に近づく。
 
「まもなく桜ノ宮、桜の宮です。お出口は左側です。電車とホームの間が広く開いているところがございます。お降りの際はお足元にお気をつけ下さい」
 
ホーム手前で侵入速度まで減速した電車は更に緩やかに減速し停車位置に向かう。
 
電車の運転手によって、また電車によって減速が異なる。
 
桜ノ宮駅は普段から乗降客の多くない駅である。
特にいつも乗る前方の車両では数名が乗降するだけである。
 
「ドアが締まります、ドアが締まります」
構内案内が発車を急かす。
 
ゴロゴロとドアが動き最後にゴンと言って閉まる。
 
一両目の車両番号が「クハ200」とあるから、今から60年ほど前から導入されてきた201系の電車であることがわかる。
大きなリニューアルを経たとはいえ、やはりその古さは否めない。
 
桜ノ宮駅を離れるとすぐに向かいの電車とすれ違う。
すれ違いが過ぎ、視界が開けると大川のある風景が広がる。
今の時期、両岸に並ぶ桜の木は葉が落ち寒々とした風景を描く。
反対側を見ると、源八橋の遠く向こう、高層ビルの合間に大阪城が見える。
この辺りは江戸時代川渡の渡船があり「源八渡し」といった。
それが橋の名前に残った。
 
「つぎは天満、天満です」
 
電車は右にカーブし、その後数回左右に車体を小刻みに揺らすと天満駅が見えてくる。
 
「まもなく天満、天満です。お出口は左側です」
 
車内放送が天満駅に近づいたことを知らせる。
列車は進入速度から徐々に減速し停車位置を目指す。
今日の列車はいつもより緩やかな減速だ。やがて停車しドアが開く。
 
「天満、天満です。足元にお気をつけ下さい」
構内放送が天満駅であることを知らせる。
私の一日はここから始まる。